「エンジニアから見た営業」について考え直してみた
この間は、元スカイプジャパンのエンジニアで、今はテック系投資家の岩田さんとご飯を食べた。
岩田さんは、バリバリのエンジニアだが、最高の仲介者でもあったようだ。
つまり、営業の出来るエンジニアといった感じだ。
だからこそ印象的だったのは、「営業って凄い」という言葉だ。
個人的に、営業は厄介な存在の1つだ。
時々、顧客要望を丸呑みし、エンジニアに丸投げするからだ。
ひどい時には、顧客に見せる見積もりの数字までエンジニアに頼る。
🐙ができるほど「ざっくりしたもので良いんで」を聞いてきた。
もっと良くないのは、ざっくり見積もりを、何の加工もせずに、正規版として顧客にリリースしてしまうことだ。
その上、炎上の尻拭いは、見積もりの提供元であるエンジニアに押し付けられるケースが多い。
「作ったの君でしょ」系の尻拭いだ。(本来、エンジニアリングすることが仕事なんだが)
どこまでが作業範囲なんだ、と常々思う。
最初は、「少しは自分の目で見ろ、自分の頭で考えろ」と思うが。
そのうち「(あ〜、頭使ってねーな…)」と変わっていく。
こうなったエンジニアは、大抵、強固な防御壁を作るか辞めてしまう。
今後はますます、辞めやすくなる。
2016年の金融から、2017年はヘルスケアへ、デジタリゼーション(IT化)の波が押し寄せてるからだ。
デジタルである以上、エンジニアが必要だ。
業界のエンジニア獲得競争は、今後ますます激しさを増すだろう。
結果として、エンジニアは食いっぱぐれることがなくなり。
ますますエンジニアの流出も加速していく。
残念ながら、最近の営業にはその危機感が薄い。
でもなぜ、岩田さんは正反対のことを言ったんだろう。
僕なりに、再検討した結論は「エンジニアは頭脳労働しか出来ないから」だ。
エンジニアは、1人では生きられない。
プロダクトを、キャッシュに変えることが苦手だからだ。
だから、エンジニアリングの環境を支えるためのキャッシュを作れない。
そうなってしまうのは、エンジニアは金銭欲と創造欲が対極にあると思いがちだからだ。
だから、金銭欲を優先する営業の言葉には、イラっとする。
だから、創造欲を優先する頭脳労働を崇拝する。
でも実は、2つの欲は表裏一体なんだ。
どんなに優れたエンジニアでも、キャッシュそのものは創造できない。
だから、外のキャッシュを取りに行くような、肉体労働を得意とする人がいなければならなくなる。
それが営業だ。
エンジニアからすれば、自分たちにはできない肉体労働をする人は、凄いんじゃないだろうか。
だから岩田さんは、営業をフューチャーしたんじゃないだろうか。
彼らは、肉体労働専門だ。
だから、休出も長時間労働も、エンジニアより割り切っている。
だから、エンジニアに無理強いすることを、おかしいと思えないのだろう。
彼らは、必死に自分の役割を全うしようとしてるだけだ。
だからもし、理解のある営業なら、エンジニアからアドバイスしてあげよう。
このまま行けば、間違いなく大きな流出が起きることを警告してあげよう。
でももし、理解のない営業なら、荷物をまとめよう。
エンジニアは、転職活動という慣れない肉体労働に精を出したほうが生産的だろう。
そしてエンジニアにとっては、理想の職場にジョインできるかもしれない。
理解のない営業にとっては、良い意味で、苦い薬になるかもしれない。
サムネイル引用元:https://www.linkedin.com/topic/pre-sales